プロペシアは製品名であり、一般名はフィナステリドと呼ばれ、アメリカのメルク社が製造・販売し、 世界60カ国以上で承認されている世界初の経口型の男性型脱毛症治療薬です。日本では万有製薬が2005年12月14日から発売を開始しました。国内の入手には医師の処方が必要となり、また薬価基準未収載薬のため健康保険の対象とはならず、保険外診療(自由診療)となります。そこで、面倒である、恥ずかしい、医療負担を抑えたいなどからの理由から個人輸入代行業者を利用して入手するケースが多いのが現状です。個人輸入代行なら処方せんの必要はなく、自己責任にはなりますが、法的には問題はございません。
プロペシアは1日1回の内服による男性型脱毛症用薬です。 6ヶ月以上使用の満足度は 90%、3年間で98%に有効という臨床成績を誇ります。3カ月位で抜け毛の減少等の効果が現れてくる場合もありますが、6カ月の連日服用が必要とされています。効果が出る場合は4~6ヶ月位で脱毛の進行が止まってきます。
男性型脱毛症であるAGAとは、Androgenetic Alopeciaの略称で、一般には「男性型脱毛症」のことを指し、思春期以降の男性に発症する進行性の脱毛症のことをいいます。
一般的な症状としては、だんだんと額が後退してきたり、頭頂部が薄くなるなどの症状が起こってくるのが特徴です。このような髪の毛の変化は、20代前後から始まって35歳までには、約40%の男女に何らかの脱毛の症状が現れます。
男性型脱毛症には特異的な脱毛パターンがあり、額の生え際や頭頂部の髪が薄くなっていき、薄毛が進行していきます。男性型脱毛症の発症年齢や進行の程度には個人差があります。早い人では、10代で症状が現れるケースもあります。この男性型脱毛症は、一般的に「遺伝」と「男性ホルモンの影響」から起こると考えられています。
男性における男性型脱毛症のみの適用であり、円形脱毛症や薬剤性による脱毛症に対する適用はありません。 20歳未満での安全性及び有効性は確立されていないことから、未成年に対してプロペシアの処方はされておりません。また、女性には禁忌となりますので、女性に対してプロペシアの処方はできません。副作用として性欲減退・インポテンツがあり国内での臨床試験では発現率は1,0%未満です。
プロペシアの副作用はほとんど、もしくはまったくないとされていますが、性欲減退や射精時における精液量減少といった副作用の報告例もありまが、これらの副作用は危険性のあるものではなく、服用を中止すれば消失します。
男性性機能に関する心配される方が多くいらっしゃいますが、プロペシアを内服するとジヒドロテストステロン(DHT)が減りテストステロン(性ホルモン)が微量に増加するため、理論的には男性機能の低下は起こりえないとされており、性欲減退や勃起機能不全の副作用がおこる医学的根拠はまったくありません。
プロペシア服用によるアレルギー反応はきわめて稀ですが、発しんや眩暈(めまい)、痒みや呼吸困難といった症状があらわれた場合はただちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。また、上記症状以外の副作用が起こる可能性もありますので、服用後に身体に何らかの深刻な変化があらわれた場合は、医師に相談してください。
頭皮が硬く、血行が悪いとハゲやすいので、抜け毛を予防するためには頭皮を手でマッサージしたり、ヘアブラシで頭部を軽く叩くと効果的・・・育毛剤のCMなどでは、よくこうしたメッセージが流されています。一昔前には、俳優さんがヘアブラシで頭を叩く映像がテレビから大量に流されていました。
これにも化学的な根拠はありませんが、CMに影響されて信じてしまった方は大勢おられると思います。このCMを流していたメーカーは、育毛剤とセットでデジタルカウンター式のヘアブラシまで作りましたが、これがまた大いに売れたのです。
こんなことをしても頭皮が柔らかくなるわけでも、抜け毛が防げるわけでもない。と知っていた皮膚科の専門家は、この現象を苦々しく思っていました。もちろん私もそのひとりです。
そもそも、頭皮に「硬い」も「柔らかい」もありません。いや、厳密に言えば、男性型脱毛症が進むと、薄毛になった皮膚の一部が繊維化して若干硬くなることはあります。しかし、この程度の繊維化を指の先で触っただけで「硬くなっている」と分かるほど、人は敏感ではないのです。それに、頭皮がほんの少し硬くなるのは男性型脱毛症が進行した結果で、頭皮が硬いから男性型脱毛症になるということなどありません。抜け毛と頭皮の質、抜け毛と血行にはあまり関連性はありません。
ところで、以前日本中に出回ったデジタルカウンター式のヘアブラシは、アメリカの国際皮膚科学会で笑いの種にもなりました。演壇に立ったアメリカの研究者がこのブラシをスライドで映し、「日本ではこんなものが作られているが、みなさんご存じかな?」とやったのです。列席者からは、爆笑が起こりました。
しかし、このカウンター式ブラシをばかにして笑った研究者たちの国にも、相当インチキなものが出回っていたのではないでしょうか。抜け毛というのは大きな悩みのもとにもなりますから、そのコンプレックスにつけ込んで作られた、科学的根拠のないいい加減な商品も世界中に数多くあることと思います。
話がそれてしまいましたが、腕や脛など体毛が生えている部分の皮膚を繰り返し摩擦することで、その部分の体毛が濃くなることはあります。しかし、頭髪も摩擦すれば太い毛が生えてきたり抜け毛が減る、あるいは軟毛化を防げるという実証は得られていないのです。
いくつかの育毛剤や養毛剤の説明書きには、マッサージなど頭部への刺激が血行を改善し育毛を促進する、というような事柄が記されていますが、これは正確に言えば「科学的事実」ではありません。
もともと血圧を下げる飲み薬として使われ、現在は頭皮に塗って脱毛を治療する薬としても使われているミノキシジルも、当初は「血行をよくするので育毛効果がある」と考えられていました。しかし、ミノキシジルの効果は毛乳頭細胞に作用して毛の成長を促す因子を放出させることによるものだと、いまでは明らかになっています。
「男性型脱毛症は増えています」などと、コマーシャルなどでよく耳にしますが、本当でしょうか?食生活の欧米化が原因、などとまことしやかに伝えられています。これを検証してみると。4分の1世紀ほど前のデータによれば、日本での男性型脱毛症の発症率は30パーセントほど。最近、調べたデータでも約30パーセントですので、発症率は変化なしです。
ただし、長寿高齢化社会になってきていますので、絶対数は増えているものと思います。半分本当、半分間違いというところでしょうか。これに関連して、4分の1世紀前と現代では朝シャンなど、洗髪の習慣も大きく変わってきています。つまり毛穴の脂は薄毛の原因ではないことが、このデータからも分かるわけです。
紫外線の影響で髪が傷む、とはよく言われますが、これは少しオーバーな言い回しです。髪の毛はメラニンがひじょうに豊富ですから、少しぐらい紫外線を浴びてもそうダメージは受けません。
しかし、「皮膚」のことを考えれば、やはり紫外線は避けたほうがいいでしょう。紫外線はビタミンDの合成に必要ですから完全な悪役ではありませんが、皮膚の老化を防ぐためには、浴びないほうが無難です。長年、恒常的に紫外線を浴びつづけると、顔は黒くなり、深いしわが刻まれてしまいます。
洗髪をひんぱんにし過ぎれば髪の毛は傷みますが、やはり脱毛とは関係ありません。髪の毛の傷み少し触れておくと、髪を染めると毛幹が非常にダメージを受けます。脱色はさらに髪を傷めますし、パーマも同じです。
いまは多くの人が髪を染める時代ですから、従来からあるようなリンスの成分では、髪のダメージを回復できません。ダメージヘア用コンディショナーなどという製品がでてきたのも、ふだんの生活で自ら頭髪を傷めるようなことをする人が増えてきたからではないでしょうか。
皮膚科医の立場から言えば、洗髪をまめにするのはいいとしても、爪を立てて頭を洗うとフケが増えてしまいます。フケに気づくと、それをとろうとしてよけいに爪を立てて洗いたくなるかもしれません。こうするとたしかに洗った直後はフケがなくなって気持がいいでしょうが、結果は新たなフケを生みだすのです。物理的な刺激を受けた頭の表皮細胞が、皮膚を修復すべく分裂、増殖し、これが「フケ」となって再び落ちます。ですから、頭皮はやさしく指の腹で洗うこと。これが基本です。
皮膚科医の医者のなかには、「洗髪は1ヵ月に1度で十分」と言う人もいます。「人間の皮膚は、28日で自然と入れ替わる。この間にいろいろなことをするとかえってダメージを与えることにつながるので、髪を洗うのも月一でいい」というのがこの人の説です。1ヵ月も髪を洗わなければ、臭いなど髪のダメージ以外の問題も発生すると思いますが、理屈としてはあながち間違っているとも言えません。考えてみれば毎日洗髪する人が増えたのはごく近年のことで、昔は3日に1度、週に1度という人も珍しくありませんでした。
シャンプーの成分はたしかに製品ごとに異なるでしょうが、安いシャンプーが髪に悪いというのは、まったくのまやかしです。脱毛とシャンプーにも、何の関係もありません。
洗髪の目的は、すでに頭に生えている毛髪と頭皮を洗浄することで、頭皮から数ミリ内側に入った毛包までシャンプーの成分は届きません。髪の毛を作るのはこの毛包部分ですから、シャンプーが安かろうが素材が悪かろうが、それが抜け毛につながることはないのです。したがって、抜け毛対策として高いシャンプーを買うのは無意味、ということになります。
ただし、すでにできあがった髪の毛は、洗い過ぎると傷みます。ひんぱんに洗うことによって脂質は抜けますし、水分保持も悪くなってくる。おまけに乾かすときドライヤーを当てながらブラッシングすれば、キューティクルも傷みます。
そこで、ブラッシングするときの摩擦を減らすため、保護成分を使って表面をなめらかにするわけです。
このように髪の保護成分をたっぷり入れたものが、いわゆる高級シャンプーやリンスなのでしょう。「安いシャンプーを使うとハゲる」などという言葉は、案外高級シャンプーを売ろうとするために流されたのかもしれません。
育毛剤や養毛剤のCMでたびたびこう指摘されるように、頭皮の皮脂量が多いことが抜け毛につながると言われています。医師のなかでも、これを信じている人が多いようです。実はこれ自体、19世紀に立てられた誤った仮説ですが、誰が言いだしたのかは分かりません。
男性型脱毛症は男性ホルモンが増えることで起こりますが、男性ホルモンの増加は、頭皮の皮脂腺を活発化して、皮脂の分泌量も増やします。つまり、男性型脱毛症の発症と頭皮が脂っぽくなることの原因は同じですが、だからと言って皮脂成分が抜け毛に直接関係しているわけではありません。
20世紀の半ばに集められたデータによって、いまではこの説は完全否定されています。それにもかかわらず、現在でも育毛剤などの宣伝で脂症と脱毛とが関連しているようなキャッチコピーを見かけますので、くれぐれも気をつけてください。皮脂が多くても、男性脱毛症にならない人もいるのです。
ただし、皮脂が多過ぎると「脂漏性湿疹」といって、頭部に湿疹ができることもあります。脂漏性湿疹が悪化すると患部の毛髪が抜ける場合もありますが、これは男性型脱毛症とは違って一時的なものですから、頭皮の炎症が治まればまた新しい毛が生えてきます。
髪の毛の変化とストレスとの関係性については、経験に基づいて語られることも多いようですが、科学的な根拠は乏しいのです。円形脱毛症は、ストレス原因説が長年語られてきましたが、これについても直接の原因ではなく、円形脱毛症にないやすい素因をもっている人の場合、強いストレスが「発症の引き金になり得る」ということが明らかになりました。
動物実験のうえでは、マウスに超音波ストレスを与えると成長期毛が休止期毛に移行することが知られています。その作用は抹消神経から分泌されるサブスタンスPという神経伝達物質がかかわるようですが、ヒトでの関連性はまだ不明です。
男性型脱毛症は男性ホルモンの作用によるもので、これもストレスとは何の関係もありません。白髪にしても、加齢による現象であり、強いストレスを受けた時期に白髪化が進むわけではありません。
男性も女性も、抜け毛や白髪を気にする時期は40代以降のことが多く、社会生活や家庭生活でもストレスを感じやすい時期と重なるため、髪の変化とストレスが関連づけて考えられたのではないでしょうか。